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2050年現在、
日本人は白米よりもピザを食べている。
国民1人あたりの年間消費量は120枚、
これは3日で1枚のペースである。
仮に1枚を8等分とすると、
1000ピース近くを食べている計算になる。
街を歩けば、至る所にピザの広告。
ピザを販売する飲食店は
遂にコンビニの数を上回った。
本場イタリアも驚きの数だ。
何故健康大国であったこの国が、
ジャンクフードを代表するピザを
これほどまでに食するようになったのか。
ピザ文化の火付け役は、
株式会社ピザエンターテインメント
代表取締役の名取誠治だ。
彼は日本に生まれ、日本で育った
純日本人である。
会社員の父とパートの母、3つ上の兄と
ごく普通の家庭で育った。
そんな彼のピザとの出会いは、
3歳の誕生日に食べた宅配ピザだった。
その日の衝撃たるや、
忘れることのない記憶として
彼の中に深く刻み込まれている。
正方形の段ボールを開けると、
窯から押し込めてきたかのように
湯気が勢いよく立ちのぼる。
同時に香ばしい匂いが鼻奥を突いてきて、
寝ぼけていた嗅覚が叩き起こされる。
正確な円形に、中心から放射線状の
迷いのない切れ目がしっかりと入っており、
生地は外側に向かうに従って
食べ応えのある厚みを帯びている。
チキン、コーン、じゃが芋、ウインナー、
などの主張の強いトッピングが
無造作かつ規則的に散りばめられ、
ケチャップとマヨネーズの味が
子ども心を鷲掴みにする。
そこに、これでもかと乗せられた
たっぷりのチーズが繊細な糸を紡ぎ、
追い討ちをかけてくる。
こんな贅沢を堪能してしまった
3歳の少年はピザの虜になったのだ。
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