マシュマロの彼女

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 「もったいない、から」とそれらをちらっと横目で確認する千世を見て、将生は「ふはっ」と声を出して笑った。  「うん、全部食べてええよ」  「・・・ありがと」  椅子に座り直した千世は、フォークを手に取ってゆっくりとケーキを一口口に入れる度に、ぎゅっと目を閉じて口角を上げている。そんな千世の様子を、将生は嬉しそうに見つめていた。  「たくさん食べて家帰ったら、いっぱい愛し合おな?」  穏やかに笑う彼の笑顔に、顔を赤らめた千世はフォークを咥えて無言のまま、ケーキへと目線を落とした。
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