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店員からおしぼりを受け取った将生は、自分の席を立ち千世の席まで回り込む。千世の前まで来るとその場にしゃがみこんで「あー、これ落ちるかあ？」と千世のコーヒーのかかったロングスカートと優しくポンポンと叩く。
「ほんならなに？」
「ちゃんと言うて？」とそれまでスカートを拭いていた手を止めて、将生は千世を見上げて柔らかい表情で問う。千世は、将生の自分を見つめるまっすぐな瞳に堪えられず目を逸らすも「・・・怒らへん？」と居心地悪そうに聞き返す。
「え～、それは千世の答え次第やな」
「・・・」
「嘘やって」
想像とは違った将生の答えに固まる千世に、将生はしゃがんだままの体勢で笑いながら手を伸ばして千世の頭を撫でる。
「・・・将生が」
「え、なんでそんな声ちっさいん？」
「ええから聞いて！」
「あ、はい」
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