マシュマロの彼女

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 「・・・ん」  将生はいつも、相手の考えに対して否定的なことは言わない。それは千世にも友達にも誰に対してもそうだ。相手の思いを尊重して、同調する。それがたとえ間違っていることだとしても、それを上手くプラスの方へと導いていく。それは、一種の才能のようなものだった。  千世は自分に対して外見も内面もいつも自信が無い。それが祟ってか、たまにこうして今回のように突拍子もないことを突然言い出す。それとは逆に、将生は明るく社交的で友好関係も広く、男女問わず慕われる人柄だ。それでいて、男性にしては女性のよう可愛らしい顔をしているということもあり、早い話が人気者、という言葉が彼には相応しい。  「でもなあ」  「?」  「いてて」としゃがんでいた身体を立ち上がらせた将生は、それまで自分が座っていた席へと回り、そこにある椅子を持ち上げて千世の隣まで来ると、椅子を置いてすとんと座った。
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