11人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺は、今のままの千世も十分綺麗で可愛いって思うし、なんなら今の千世のが好きやけどなあ」
「・・・だって、将生が太ったって、」
「そん時はそう言うたかもしらんけど、でも俺覚えてへんもん。やからそれはきっと、前より一段と抱き心地よおなったなあって意味で言ったんやと思うねん。それにどんだけ太ったかて千世のこと好きなんは変わらんし? なんなら千世のマシュマロボディ? 俺大好き」
「・・・マシュマロ?」
「そこ引っかかっる?」
テーブルに横並びに二人が座り、将生はさっきと比べて幾分穏やかになった千世の顔を見て、嬉しそうに下から覗き込んで笑った。
「はい、あーん」
「えっ、いらんて!」
「もぉええから、ほんまは食べたかったんやろ?」
「う、」
将生は自分の席側にあるケーキの乗った皿に手を伸ばして自分の方へ引き寄せると、フォークでモンブランを掬って千世へと差し出した。千世はそれを一度は拒否するも誘惑にあっさりと負けてしまい、気づけばモンブランは千世の口の中へとおさまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!