マシュマロの彼女

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 「はああああああ」  「どういう感情なん、それ」  我慢した分、口の中のモンブランはとてつもなく美味しくて幸せという気持ちとこんなことも我慢できない自分の愚かさに、千世の心は一人葛藤する。けれど、将生はそんな千世の姿を見ても、彼女の感情を汲み取ろうというような気配もなく、傍からその千世の様子を見て面白そうにくすくすと笑うだけだった。  「旨いやろ?」  「・・・うん」  「・・・そんな痩せたいん?」  「・・・うん」  いや、やはり将生には千世の心の葛藤のことがわかっていた。ケーキを食べてしまった後悔の方が、その美味しさに感動した気持ちより勝ってしまった千世は、おでこをテーブルにくっつけてうなだれる。すると「あ!」と将生が何かを思いついたように声をあげた。  「わかった、ええ方法あんで!絶っ対これは痩せる!」  「えっなに!?」
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