プロローグ 神様みたいな女の子

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プロローグ 神様みたいな女の子

 足元に誰かが倒れていた。  見覚えがある。可愛い女の子だ。  甘い匂いがする。彼女は甘いものが大好きだったから、ここに来る前も何か食べてきたのかもしれない。  大切な日の記念だって。彼女はそういう痕跡を大事にする人だから。  彼女の首筋には数個の穴と、流れ出る血液。  自分の手を見下ろすと、アイスピック。  まるで首を吸血鬼に噛まれてしまったみたいだな、と他人事のように思う。  彼女は有留坂冬華(うるさかとうか)。  僕が殺した、神様みたいな女の子だ。
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