Prologue

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Prologue

 ミシミシと床鳴りする赤い絨毯を踏みしめ、重厚な扉を古めかしい音を立てながら開いた。  すると僕が背負ってきた光が、まるで一本の道のように書庫の中を照らした。  その光を頼りに暗闇を歩き、一冊の洋書を手に取った。  これは僕たちの軌跡──    おとぎ話を受け継いだ、もう一つのおとぎ話。  彼の名を呼べば……  すぐにでも会いたくなる。  抱きしめて欲しくなる。  だから、もう呼ばない。  
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