昼星の駆ける空

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北川日向という人間を文章で説明するのには骨が折れる。 それは彼が複雑怪奇な性格をしていたとか、特異な人生を歩んできた等という所から来るものではない。 彼はその対極に位置している、と言ったら伝わるだろうか。 一般の家庭に生まれ、一般的な幼少期を過ごし、小中高と公立の学校に進んだ。 試験の結果はいつも平均。 若さという活力をその身に漲らせ、青春というものを謳歌せんとする連中に混ざる事もなければ、隅に追いやられ卑屈になった奴らと群れることもせず、ただそこにいた。 日陰者のような生活を送っているにもかかわらず、彼には その名の通り 光が降り注いでいた。 何者にも左右されない彼の姿勢をよく思わない つまらない人間たちもいたが、私はそんな彼に好感を抱いていた。 よく言えば「一匹狼」 悪く言えば「幽霊」 だか私は敢えて彼を「幽霊」だと説明したい。 ほら、一言で説明が終わってしまった。 いるのかいないのか分からないのにそこに確かな存在感がある。 いつもこれ以上彼にぴったりな言葉は私の脳には浮かばない。 そんな彼が星になってからそろそろ一年が経とうとしている。
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