昼星の駆ける空

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  彼がたった1度だけ 内側に眠る  シリウスだって 金星だって 月だって  敵わないほどの 光を放ったことがある。 あの日も星が降る夜だった。降る、と言うには少し足りなかったかもしれないが。 どこの高校もバスケットボール部にはある程度力を入れているイメージがある。 その例に漏れずわたしの所属するバスケ部も夏休みだというのに遅くまで練習を行なっていた。 ぐっしょりと汗を吸って嫌な感触になった練習着を脱いで、個性というものが押し殺された制服を着る。 そして今日も疲れた大人の詰まった電車に乗って家に帰る。 そうなるはずだった、いつもなら。 屋上に人影を見つけたのは正に校門をでる直前、イヤフォンをリュックから取り出そうと立ち止まると屋上で怪しげな人影が蠢いている。 やはり好奇心というものには勝てないもので、私は足に馴染まぬローファーを第一校舎の昇降口へ向けた。 夜間は閉鎖されているはずの扉に鍵はかかっていなかった。 長ったらしい階段を1段飛ばしで駆け上がる。
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