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私は今、ちっぽけな、自宅のベランダで
あの日彼と見たかったペルセウス座流星群が降るのを待ち侘びている。
ずっと広い屋上には比べ物にならないけれど、天体望遠鏡なんか無いけど。
隣に彼はいないけど。
あの日から私は少し星に詳しくなった。
何万何億年も後年の彼方に一人行ってしまった彼。
手を伸ばせば取れそうで、でも取れない。
その距離を少しでも埋めるために一生懸命になって調べた。
いつか私が星になる時、少しでも早く彼の元へ飛んでいって少しでも長く隣で輝けるように。
おおいぬ座の一等星、シリウスの事だって
真夏の夜、海底で眠るオリオンの事だって
思い描くことができる。
でもきっと彼には及ばない。
そういえば「昼星」のこと、北川は知っていたんだろうか。
「昼星」は昼間にだって薄っすら輝く明るい星。
星の輝きっていうのは大昔に起こった超新星爆発の光だ。星々がその命を終える時、最後の力を振り絞って放つ光。
彼の最期の笑顔が思い出される。
きっとあの光なら昼間にだって見えるはず。
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