第1話 雨男!?

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第1話 雨男!?

「やっばぁい、遅刻するっー!」 私の部屋に大きな声が響く。現在、私、一ノ瀬 美空はとても焦っております。 事の発端は数分前―。 ジリリリリリ… 「ん…。寒…。」 朝、目を覚ますと急激な寒さが私を襲った。「風邪引いたかな…?」 そう思いながらカーテンを開けると何故寒いのかがようやく分かった。 「誰が窓開けたの…。」 大雨の中、私の部屋の窓が開いていた。実際窓を開けたのは私なのだがそんなのはどうでもいい。 「最悪、雨か…。」 私は、「雨」が大嫌いだ。 いや、「晴れ」が大好きなのだから自動的にそうなってしまったのだろう。 ジメジメとした空気といい、気温の低さといい、「雨」の日には何もいい事がない。 雨が止んだら虹が見られるが、その時は晴れてるのだ。 正直、雨の好きな人の気持ちが分からない。 「まだ、時間あるか。」 携帯の電源をつけ、時刻を確認する。時刻は午前5時36分だ。 いつもは6時半に起きているのだからまだまだ時間に余裕はある。 ふと、ある疑問が頭に思い浮かぶ。 雨ノ町は1週間に1度必ず、雨が降っている。 それに、曜日も決まっているのだ。 「火曜日」は必ず朝、雨が降っている。 もしかしたらネットに情報があると思い急いで携帯を開く。 「雨ノ町 雨 火曜日」 なかなかキーワードが思いつかなかったがこれできっと出てくるだろう。 なかなか良い記事が見つからず親指で画面をスクロールする。すると、とある記事が目に入った。 【雨ノ町 1週間に1度雨が降るのは雨男が関係している―?】 「雨男…?」 半信半疑で記事を読み進めていくと、衝撃の事実が証明した。 「この街には雨男がいる…!」 ちゃんと証拠になるれっきとした写真もあるのだ。男の子が空に向かって祈っている写真―。それだけじゃ何も分からないがそのすぐ直後、雨が降り出した事も分かっている。 目撃回数は何と、5回も目撃されている。 その全ての後に雨が降っているのだ。 それが分かると急に謎の興奮が溢れる。 「雨男だ!雨男のせいで、雨が降るんだ!」 「やっぱり、雨男だっ!」 ジリリリリリ… 「あれ?今…。もう7時!?」 そのような事があり、今の状況に陥る。 いつもは憂鬱に感じる通学路が今日はどこか弾んでいるような気がした―。
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