Friends ―朱里くんとタコちゃん―

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 小学校を卒業して、中学、高校と行けば少しは変わるのかとも思ったが、やはりこの目が気に入らないとやはり喧嘩を吹っ掛けられるのは変わらなかった。  ただあの時と違うのはどんな相手だろうと何人いようと、負けることがなくなったこと。  力だけでなく、使えるものは何でも駆使した。  見た目も弱く見えないよう、派手な色を着ていた。  とくに好んだのは、赤色の服。  女みたいなこの名前からとったわけじゃないが、やっぱりどうも目に入るのはこの色だった。  そんな派手な恰好をしていれば、悪い噂になるのも早かった。    だからといって別に誰かに理解されたいとも思わなかったし、どうでも良かった。  成績が良ければ先生は文句は言わない。  そもそもこの髪も地毛だし。敢えて染めろとも言われなかった。  おかげで兄貴よりも良い今の大学まで入ることはできた。  その大学に入れば周りも変わるかとも思ったけど、結局入ってすぐに先輩に目を付けられ結局変わることはなかった。  どこに行っても俺は変わることはできないのだと、改めて思い知らされたのだ。  ―――そんなある日  いつものように勉強をするために向かった大学付属の図書館で、事件が起こった。
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