友達かもしれません

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「うるせぇな。お前に俺の気持ちが分かるかよ……。まぁでも、来てくれて助かったよ」  スマホを弄りながら俺がそう呟くと、後輩は本棚から漫画を取り出して腰を下ろした。 「今度ラーメンおごってくださいね! でも俺、夜勤明けで寝てないから寝てしまう可能性大っすけどいいすか?」 「あぁ、何か起こったら起こす」  それから、特に何もすることなく時間は流れていく。  後輩は話していた通り、漫画を読んでいる間に眠たくなったのかカーペットの上でいびきをかいている。  俺は後輩にブランケットを掛けてから照明を落とし、布団の中にもぐりこんだ。  スマホをタップして時間を確認すると、深夜一時を回った所だった。あと五時間。あと五時間もすれば夜は明ける。  そう思った直後、窓ガラスから小さな石がぶつかったような音が聴こえてきた。  コツン。  その音に肩をビクつかせながら震えていると、再びコツンと音が鳴る。 「おい、良助(りょうすけ)! 起きろ……なぁ、良助」  布団を被ったまま後輩を呼ぶが、目を覚ます気配は無い。  その間も音は聞こえ続けている。  コツン。コツン。ゴツン。ゴツン。  少しずつ音が大きくなり始めた。 「止めろ! 俺はお前を虐めてなんかないだろ! お前を虐めた奴は他にいっぱいいるだろうが!」  恐怖で布団から顔を出すことが出来ない俺は、大声で叫ぶ。
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