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episode 01. こっそりはぁはぁ妄想女子。
穏やかそうなお母さんね。
と、人からはよく言わるのですが。
実は、わたしは女の人が苦手で……。いやあの、男の人も。
すみません。
毎日の送りやお迎えの度、にっこり笑って擬態して、優しげなお母さんたちの群れに突入するのもこころの中ではビックビク。実はめっちゃ勇気を絞り出してます。
どうして人が怖いのかは覚えていないんだけど。
話し掛けるのも、話し掛けられるのも、どうにも怖い気がしてしまう。
巷にはやさしい人が多いし、怖く見える人だって実はけっこうやさしいって、この歳になればそろそろ、わかってきてはいるんだけど。
だけどね。
ほんとうは、
ほんとはほんとは、
よしよしって、
(よくわかんないけど)がんばったねって。
詳細まったく理解してなくてもいいから、なでなでしてもらいたい。大好きなひとに。
そしたらわたし、ぎゅーっとくっついて、すりすりして、
躰のやわらかさも、硬さも、ぜーんぶ確かめて、
お気に入りのぎゅうぎゅうポイントとか、ぎゅうぎゅうポジションをいっぱい見つけるんだ。
それから、
それからそれから、
彼はくすくす笑うかな? こらって叱る? それとも苦笑してちょっとやだけどゆるしてくれる?
そんな彼の顔じゃないとこに顔をうずめて、彼の匂いを思いっきり、吸っちゃうんだ。
タバコなんか吸うのの比じゃあないくらい、きもちくってリフレッシュしちゃう。
あ、彼はタバコ吸っててもいいの。汗かいててもいい。
わたしよりけっこう歳上だから、
まあ可能性として……
加齢による香りとかがしちゃってても、それは全然許容内。
ああ、させてくれないかなぁぎゅうぎゅうって……
山内せんせい。
わたしもみんなみたいに、
心のなかでいつも呼んでるみたいに、
歳上の彼のこと、親しみを込めて「やまちゃん」って、呼びたいな。
あぁ……
やまちゃん。
やまちゃんに。
わたしもやんちゃ坊主みたいに、なでなでぎゅうぎゅうしてもらいたいなぁ。
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