epi.06 おまけ/冬休み最終日、一日やんちゃデート。

9/16
前へ
/144ページ
次へ
「これ、誰が教えてるの? カーラ?」 「近所のお爺さんが教えてくれるの。わたしなんか全然ダメなんだけど、男の子ってすごいなぁって」 「歳かな……タカシが眩しい」 「やまちゃんにもそんな種目があるんだ」 真剣に遊んでいるやまちゃん、ほんとに可愛い。 わたしはくすくす笑ってしまう。 「あ、ご飯はわたし作っちゃうね。そのまま遊んでて」 やまちゃんて、子どもにもてるのわかる。本気で遊んでるからだよね。 ふたりを見ていてとっても幸せな気分になったので、夕飯を食べながら、わたしは口に出してそう言ってみた。すると、 「……やっぱり、ガキっぽい? カーラから見てもそう思う?」 あれれ? そこがやまちゃんの魅力だと思うんだけど、もしかして少し気にしてたりするのかな。それか何か言われたことがあるのかな? 「ううん、とっても素敵。そこわたしに足りないとこだから見習いたいなーって思ってる」 「うん? カーラはもう、十分できてると思うよ」 そうかな……。 やまちゃんが言うには、わたしはこうやって、にこにこ見守っているだけでもいいんだって。 そうなのかな? 「いい、いい。遊びをリードなんてしなくても、のびのびできるでしょ。あったかく見守るだけでいいんだって」 「そっか」 そう考えたら、わたしにもちゃんと子育てできてるってことなのかな。
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加