ありがとう

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ありがとう

「最近、キレイになった?どうかな?」 ゆっくり肌のお手入れができるようになって効果を感じ始めた頃、時間をプレゼントしてくれた夫に聞いてみた。 少し考えたあとで夫は「うん、キレイになったと思う。うまく言えないけど...キレイになったよ。」と、照れながら答えてくれた。 「ありがとう。アナタが時間をプレゼントしてくれたから、前よりキレイな肌になれた。本当にありがとうね。」 「あのね。子育て中だから自分のことに時間をかけるなんて無理だって、肌荒れしたって仕方ないって諦めてたの。でも、やっぱり肌の調子が悪いとメイクするのも楽しくないし、洋服選びもズボラになっていたんだよね。それも全部、仕方ないって諦めてた...って言うか、自分にそう言い聞かせていたのかもね。」 私は自分の気持ちを整理するかのように、夫に話し続けた。 「でもね。時間をプレゼントしてもらえて、肌がキレイになってきたらメイクも楽しくなって、お洒落もしたくなってきたの。それで、最近は着ていなかったワンピースを着たらね、子供たちが嬉しそうに『お母さん、可愛い!』って言ってくれたの。私、とっても嬉しくなってね...私が私のことに時間を使うことも家族のためになるのかな?って少し思えたの。」 「そうだね、ボクもキミが喜んでくれたら嬉しい。それに...やっぱりいつまでも可愛い奥さんでいてほしいから...って、ボクのワガママだけど。」と、照れながら話してくれた夫。 そんな夫の顔を見て嬉しかったのに、可愛いことが素直に言えない私は少し意地悪で返す。 「じゃあ、アナタもいつまでもスマートでいてね。中年太りのおじさんなんて嫌だからね!食べ過ぎもビールの飲み過ぎも禁止よ!」 ありがとう、まだまだお互い若々しくいましょうね。
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