8.稽古→湯けむり注意報(※R18?)

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「!?」 で、デカい!! 何がって、アレが。 男性のシンボル、敢えて言わないけど。 別に僕のが小さいとかじゃない。普通だ、多分。 奴のが破格なんだ。 例えるなら『畑でうっかり収穫し忘れて、大きく育ちすぎたキュウリ』――って何考えてんだ僕は! 「なんだよ」 「いや、別に」 他人のソレって、大人になってから見る機会ないだろ? だから物珍しさでついつい。 んでもって慌てて視線を逸らしたら、さらに怪訝そうに見られた。 「もしかして、気にしてんのか」 「な、何をだよ」 すると彼は、至極真面目な顔で頷く。 「チ●コの大きい小さいなんて、気にしなくていいんだぜ?」 「うるさいッ、このクソ童貞っ!」 「痛てぇっ、引っ掻くなよぉ」 ……コイツ、ほんとバカなんじゃないのか。 しかも図星だったのが、ムカつく。 やっぱり嫌いだ、コイツ。 睨みつければ、何故か穏やかな笑みで返される。 ムカつくし、訳わかんない。 「ルベルの首輪(それ)は外れないのか」 言われて、気が付く。 あぁ、この奴隷の証。 触れると粗雑な作りに見えて、案外がっちり首を捕らえている。 「これ外すには、君の父親(魔王)の許可が必要だな」 しかもそれだけじゃない。 手続きも面倒で、そもそも外す前提に作られてるかすら疑問だ。 一度奴隷に身を落とした人間が、這い上がるのは難しいってことだろう。 「でも俺と結婚すれば、外してもらえるんだろ?」 「別に君とは、限定してなかったぜ」 顔を歪めて答えれば、直ぐに落胆した顔をする。 ――コイツ、本当に僕と結婚したいんだな。 言っちゃあ悪いが、正直理解不能。 気持ち悪いとまでは思わないが、てんで分からない。 「先に行ってる」 そんな僕に、彼はそう言い捨てて浴室へ向かった。 その後ろ姿は、やっぱりムカつくくらい立派だ。 「は、早く来いよ」 振り向かず。でも少しどもるものだから、おかしくなる。 「分かったよ、ダーリン」 なんて冗談を言ったら、奴は盛大にすっ転んだ――。
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