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窓から射し込んだ光。
小鳥達のさえずり。
白く、清潔なシーツに包まれて目覚めた。
「ん……朝、か」
目を擦り、案外心地よい目覚めに息を吐く。
「ここ、は」
――そうだ。ここは、魔城だった。
自分の境遇を、いっぺんに思い出して今度は意気消沈のため息をつく。
ギシリ、と軋んだマットレス。
その違和感に、身体が強ばる。
「!!」
両肩に何か触れた。
体温。
人が。隣に人がいる。
「ヒッ!?」
僕の右隣にはエト。
ひだり隣にはケルタ。
……つまり、男3人が仲良く(?)キングサイズのベッドに横たわっていたのだ。
「っ、ゥワァァァァァッ!?」
絶叫するのは当たり前だろう。
男とベッドで目覚めるなんて、最低だ! 悪夢だ!
咄嗟にベッドを脱出しようとすると。
肩を両方から力強く、掴まれる。
「おはよ、ルベル。よく寝れたか?」
「今朝も可愛いね!」
ニッコリ笑う2つの顔。
対して僕は蒼白だと思う。鏡なんて無くても分かる。
「ななななっ、なんでお前らがッ――!?」
「あんまりにも寝顔が可愛くて。ですよね、エト様」
「俺はケルタから、お前を守る為に」
『当然ですけど何か?』なんて言う顔をして、二人は答える。
――いや可愛くて、じゃないし。
守る云々の前に、お前も夜這いしてんじゃないか。
そうツッコミを、入れたい。
でも僕の口から出た言葉。
「離れろっ、死ねっ、この変態共ッ!」
という罵倒のみだった。
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