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「すまない。俺はどうしても記憶が思い出せない。君は誰だ? 」
「り、リシャ。ついてきて‥ 」
頬を赤く染めながらニコッと呟いて俺の手を引いた。俺は取りあえず言われるままについていくと、そうこうしているうちに村へ到着した。
「こんな所に村があるなんて‥ 」
村は自然に囲まれた時が止まったようで、長閑なところで戦争とは無縁だった。村人が野菜や獣の肉を使った炊き出しを行っていた。
俺とリシャが門をくぐると皆が笑顔になり、「リュウが帰ってきた」 と喜んで集まってきた。
「こっち‥ 」
「あ、ああ」
彼女は俺の手を引いて、急ぎ脚で自宅へ案内した
俺が丘の上に建つ、一軒家の玄関に着くと
ギイイ
「おお、リシャお帰り」
リシャはコクリと一回頷くと老人に俺の姿を見せて一言
「リュウだよ‥ 」
「おお、本当にリュウか? 無事で良かった」
老人は大粒の涙を流しながら俺を抱きしめた。話によると俺はこの村のムードメーカーだったみたいだ。
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