1人が本棚に入れています
本棚に追加
もう君との付き合いは5年になるね。
そろそろ周りからも結婚しろなんて言われ始める頃合いだ。
でも君はそんなこと言わないね。
周りなんて気にせず、私達らしく進めばいいと。
そんな君が心地良くて、ダラダラと甘えてしまってもう5年なんだけれど。
僕も考えていないわけではないんだよ。
ただちょっと仕事が落ち着かないから、なんて言い訳だとは分かっているのだけれど。
そうそう。最近、新しいプロジェクトの関係でよく本社に行くのだけれど。その時によく会う人がいてね。
僕の関わっているプロジェクトチームの人ではないんだけれど、本社でも優秀な人らしくて、たまに手伝いに来てくれるんだ。
女性ならではの観点から指摘をくれて、男ばかりでは気付かない細やかなフォローを入れてくれる。
君とは正反対のキャリアウーマンって感じの美人さんだ。
そんな彼女とプロジェクトが終わってもたまに飲みに行っていたりしている。
最初はプロジェクトの皆とだったのだけれど、段々と人が減り、ついに2人に。気まずさはなく、話がはずんで、そうなればまた次も2人で飲みに行ったりして。
僕には君がいることは最初から伝えていたし、本当に変なことになんてならなくて、男の同僚と同じような、そんな感覚だったんだ。
ただちょっと新鮮で、その、美人だから、隣で飲むのが気持ちよかった、というのは否定できない。
やましい気持ちなんてなかったから、飲みに行く時は君に伝えていたし、それで公認というか、裏切らないよ信じてね!と伝えたような、そんな気持ちだったのかもしれない。
君が何度か途中で連絡をしてきたり、苦言を呈したこともあったけれど、君にしては珍しいなと思うくらいで、適当にあしらってしまった。
・
最初のコメントを投稿しよう!