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次の日、指定された場所で指定された時間。
もちろん早めに来た僕は早くも緊張でやられてしまいそうだ。
本気で怒った君の対処法を僕は知らない。
だって君が本気で怒ったことなんてなかったのだから。
どうすればいいのか。いや、誠心誠意謝るしかない。君は許してくれるだろうか。
あぁ別れ話とかに発展したらどうしよう。え、そうだ。別れ話とかされたらどうしよう。なんで気付かなかったんだろう。すごくヤバくないか?あ、どうしよう。いや、謝る他ないのだけれど。
あぁ、吐きそうだ…。
約束の時間5分前に現れた君はにっこりと他所行きの笑顔を貼りつけて僕の前に座る。
緊張で青ざめた顔の僕との間には、見えない壁があった。本当にマズイ状況なのだと改めて認識した。
認識したところでやれることは変わらないのだけれど。
「本当にすまない。僕が悪かった。本当に彼女とはなにもなかった。でも勿論、もう彼女とは二度と会わない。」
一晩考えたものの、こんなことしか言えない。すまない。ごめん。申し訳ない。反省してる。
言葉を尽しても、他所行きの君の顔が変わらなくて、そこでやっと拒絶されているのだと気付いた。
ああ、これは……。
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