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「私、ずっと思っていたことがあるの。笑わないで聞いてくれる?」
夏彦は柔らかな笑みを浮かべ、頷いた。
「私たちって、織姫と彦星みたいじゃない?」
「それは、名前が似てるってこと?」
「うん、あとは頻繁には会えないってとこも。さすがに年に一度しか会えなかったら気が狂いそうだけど」
「そうならないように気をつけるよ」
夏彦は夏織を抱き寄せた。「好きだよ」と囁いた声は低く、夏織の鼓膜を静かに震わせる。月明かりの下で見つめ合ったふたりは、初めての口づけを交わした。
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