自分の一番の理解者は自分

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 辺りは薄く霧がかかっていて、プールを思わせるような青い壁で囲われている。  真ん中に、僕は立っている。  膝下まで水がつかっている。ひどく濁っていて、足元を見ることはできない。この先もこのまま続いているのか、それともどこかで急に深くなるのか、わからない。  確かめる勇気は、僕にはない。  きっとこのまま、ここに立ち続けるんだ。そして水かさが増してきて僕は飲み込まれ、この濁った水の中でしか生きられないんだ。  いや、生きてはいけないのかもしれない。体育座りをする子どものように身体を縮めながら、眠っているのかもしれない。  そうやって僕の人生は、過ぎていくのだろうか。
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