20人が本棚に入れています
本棚に追加
辺りは薄く霧がかかっていて、プールを思わせるような青い壁で囲われている。
真ん中に、僕は立っている。
膝下まで水がつかっている。ひどく濁っていて、足元を見ることはできない。この先もこのまま続いているのか、それともどこかで急に深くなるのか、わからない。
確かめる勇気は、僕にはない。
きっとこのまま、ここに立ち続けるんだ。そして水かさが増してきて僕は飲み込まれ、この濁った水の中でしか生きられないんだ。
いや、生きてはいけないのかもしれない。体育座りをする子どものように身体を縮めながら、眠っているのかもしれない。
そうやって僕の人生は、過ぎていくのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!