凍れる星の降る森へ

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依子(よりこ)、おまえが死んだ時から、 俺の人生の時計の針は異常な速度で回り始めた。 刻一刻(こくいっこく)……なんてもんじゃない。 とにかく急いで手を打たないと、 すべてがめちゃくちゃに崩れていく……。 (どうしよう、どうすればいい……?) 静まり返った部屋の中、 ひりひりと冷や汗をかきながら、 いい手はないかと考えたけど、 (ああ、ダメだ、わかんねぇ……) (あせ)りすぎて胸が痛くなって、 気づけばスマホをじっと見ていた。 (警察に、自首しようかな……) だけど、もし、そんなことをしたら。 きっと、今よりもっと(みじ)めで苦しい毎日が待ってるんだ……。 そんなの絶対、耐えられない。
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