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プロローグ
聖女様。………本当に何度も言いますが、宝物具をそうポンポン、勝手に使わないでください!!」
とある聖堂。大きな建物の中で、大きな声が聖堂内に響き渡る。
声のする中心には、冴えない青年は立っており、彼の前には一人のかわいらしい少女が正座をしており座っていた。
青年は大きな声で少女に向かって、長々と説教を垂れ流していた。それでもなお、少女は興味がないかのような顔でそっぽを向いている。
青年はその姿を見ると、再び大きく怒り始め少女のことを叱りつける。
「あなたはいつもいつも……」
青年はそう言いながらも少女のことを叱りつけながらも彼のぐちぐちとさらに説教が長くなり少女のことを注意する。
「本当になんなんですか!? 暇なんですか!? それでも『聖女』なんですか!?」
聖女と呼ばれる神々しい雰囲気を身に纏った少女はまるでそのことさえも興味のないような顔で余所見をしている中、神々しいとは無関係な青年は彼女に向かって説教をし続ける。
だが青年は聖女の目の前に置かれている煌びやかな道具の数々を見ながら、大きな溜息を吐いて少女のほうを見ると、少女は興味のないような顔で話を無視をしているところを見ると、これは無理だな、と理解すると青年は説教を垂れ流していた口を閉じる。
「今度は絶対にしないでくださいね」
「………うん」
少々、少女の返答までに間がありつつも青年はよし、というと少女はそのまま立ち上がりその場を去ろうとする。
「………いや、お待ちなさい! 今懐に入れたものを置いていきなさい!」
と思いきや青年がそう大きな声で少女を止めようとした瞬間、少女は勢いよく走りだし青年は彼女を追ってその場を走り出した。足元に空いてある煌びやかな道具を置いて行って。
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