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「本当にやめてください! 毎度毎度!」
先ほどの東京都巨大トマト大量発生事件から数時間経ち、巨大トマトは異常成長として処理され、そのトマトは近隣の方々においしくいただいてもらったがこの事件を起こした張本人は、現在進行形で命都に怒られていた。
「今度で何度目ですかお分かりですか?」
「………」
「既に1684回目ですよ!? 今月に入ってすでに5回目! お分かりですか!?」
「……」
大きな説教をされながらも事件の犯人は、命都の足下をじっと見つめている。
「聞いていますか!」
「……」
何というか、大きな声で説教している命都だったが近くで見ている木下さえもびくびくしているが、事件の犯人、十五歳も至っていない淡い少女は話を聞いておらず。まさに寝耳に水の状況だった。
「本当にそれでも『聖女』なんですか!!」
大きな声で叫ぶ命都に対して、聖女と呼ばれる少女はそっぽを向き続ける。
「……はぁ、木下さん」
「は、はいっ!」
「この人を執務室に連れて行ってください」
「わ、わかりました」
頭を悩ませる命都にそう頼まれた木下は体をピシッとしながら固まる。
「私は、彼女が起こしたこの事件の始末書を書きますから。では」
「は、はい」
命都はそういうと、そのまま聖女、と呼ばれる少女の事を無視して彼は持ち出された宝物具を脇に抱え自身の執務室、宝物庫へと消えていった。
「では、行きましょうか」
「……」
木下がそういうと、少女はこくんと、首を下げ木下の差し出した手を握って彼女の部屋へと連れて行った。
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