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私は顔が赤くなっていても、気持ち悪くなっているとはいっても、記憶を失くすことはないし、酔っ払い特有の高揚感や箍の外れ方はない。
ずっと、冷静な自分のまま。
酒に弱い人間は、酒に溺れることができないのだ。
家に着くまでには気持ち悪さもなくなり、すっかり元の自分に戻ったところで部屋のソファにダイブした。
ゆっくりと身体を回転させ、暗く、白い天井を見上げる。
何か違和感を覚え、正体を探る。電気を点けていないのだとわかった途端、可笑しくなって笑った。
どうして私はこうなのだろう。
酔っているからではなく、ただ単に不注意で部屋の電気を点け忘れている。
私には、こういう雑なところがたくさんあった。
どれだけ気を付けていても、ミスを出す。仕事でもそうだ。この間の商談の時も、自分の中では完璧なつもりだった。
落ち着けと、丁寧にやれと周りから言われるが、本人は落ち着いているし、丁寧にやっているつもりなのだ。
だから、どうしようもない。
どうしようも、ないのだ。
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