第一部・道林ミカの憂鬱と画策/(1)きれいなだけじゃない、お姉さんのおはなし

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第一部・道林ミカの憂鬱と画策/(1)きれいなだけじゃない、お姉さんのおはなし

「初めまして。道林(みちばやし)さん。榎原(えのはら)紘花(ひろか)と言います。道林さんの教育やサポートは、主にあたしが行うから、分からないことがあればなんでも言ってね?」  榎原紘花に初めて出会ったときのことを、道林ミカは一生涯忘れられないと思った。  先ず。美人。同性の色香に酔わされるなんて事態は、中学高校大学と女子校に通った道林をもってしても、初めてのことだった。彼女が微笑んだ瞬間、ふわっ、と花が開くのだ。あっまーいシャンプーみたいな香りがどこかしらか漂う。薫の君でもあるまいし。道林は榎原紘花のことを思い返すたびに思う。やっべえなにこれ。花しょってる女の子なんか、漫画以外で初めて見た……。  声も女らしくて色っぽいうえに、おっぱいがでかいと来た。会社での露出が控えめな服装では『結構大きいのかなあ』と思った程度だったが、後日、事業部の一部のメンバーでテニスに行ったとき。更衣室にて榎原紘花のグラマラスなボディを盗み見た。いやむしろガン見してしまった! やっべえなにあれ。谷間すっご。ウエストほっそ! 篠原涼子かよ! 「うん。なぁに? ミカちゃん……」
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