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ある休日の昼下がり。
窓の近くに設置してある、時期には少し早い風鈴が「チリリン」と鳴るのを聞きながら、俺が居間でゲームをやっている時ーー
ピンポン
と、呼び鈴が鳴った。
面倒だったので無視してゲームを続けるが、
ピンポンピンポンピンポン!!
と、連打される。
しかし、あえて無視した。
チリリン、と風鈴が鳴り響く。
ーー少しして、
「しばらく泊めて!!」
と、幼馴染みの真昼が、汗を滝のように流しながら、ベランダの開いている窓から飛び込んできた。
「おk、とりあえずシャワー浴びてこい」
そういって真昼を見ずに居間のソファーに腰掛けたまま、ゲームから手と目を逸らさずにそう返す。
真昼は勝手知ったる他人の家に靴を脱いで「おじゃまします」と声に安堵を含ませながら上がり込む。
……視界の端、キャミワンピを着て薄く化粧をしている真昼の姿を見て、俺は「らしくない」と思った。
真昼が浴室に向かったのを確認すると、俺は【PAUSE】と画面に表示させて、手前の机に放り投げていた携帯を手に取る。
『真昼が来たけど、何かありました?』
そう送ると、すぐに返答が返ってきた。
『ゴメン、今から引き取りに行く』
そう簡素な返答に、俺はため息を吐いて、
『いや、来んなし( ´-ω-)=3』
と、送り返してやった。
『でも迷惑がかかる』
と、尚もしつこく食い下がる相手に、
『今更だし、変に拗らせられる方が迷惑です
(  ̄- ̄)』
と、ハッキリ返す。
正直、真昼が常ならぬ様子で家に来た時点で厄介事なのはわかっていた。
そういや前にも真昼は家に逃げてきたなー、と思いながら、
『もう何をどうしたって迷惑をこうむるんですから、サクサク経緯を話してください。なるべく穏便に解決したい』
と、少し強めに返した。あの人にはこう言った方が話が早い。
ーー直後、電話が鳴った。相手は今やり取りしていた本人だ。
「はい、こちら駆け込み寺」
『ーーゴメンね、また迷惑かけて……』
こちらの小粋なジョークにも反応せず、申し訳なさそうに真昼の姉、巴さんがそう言った。
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