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Prologue
四月✕日月曜日。晴れ。
──某室内にて。
「・・・・・・例の情報、まとめておきました」
右目を自らの黒髪で隠した男が、数枚の書類を挟んだクリアファイルを女に差し出す。
「ありがとう」
女は回転椅子に深く身を預け足を組みながら、受け取ったクリアファイルから書類を取り出す。ブラウンとゴールドでツートーンに染められた巻き髪を無造作に掻き上げ書類に目を通す仕草は、どこか優美で色っぽい。
「ちょっと、あなたスリーサイズなんてどうやって調べたのよ」
女は整った眉を寄せて一枚目の紙をめくり、二枚目に視線を落とす。そんな表情も、その美しさを際立たせる要因にしかならないのだから、美人というのは罪なものである。
その女の隣では、ミルクティーブラウンの髪の男がデスクに浅く腰掛け、上半身を捻りデスクの上に置かれたパソコンを操作している。
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