Prologue

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「向坂璃子(さきさかりこ)。現在高校二年生。性別は女。今日からこの私立星榮せいえい高校に転入。先日星榮女子寮に入寮。他にこのデータベースにある情報は・・・・・・前の高校名と実家の住所、あと顔写真だけだね」 ミルクティーブラウンの男は、その作り物のように整った顔に完璧なバランスで据え付けられた目をパソコンから離し、女がめくった一枚目の書類を取り上げ「てかこの子ウエスト細すぎない?」と笑う。 「・・・・・・データベースにスリーサイズの記載はなかったので、念のため調査してそちらに記載しておきました」 右目を隠した男が無表情のまま淡々と告げる。 「そりゃ学校のデータベースに生徒のスリーサイズ載ってたら裁判沙汰だよ」 ミルクティーブラウンの男は呆れを顔に滲ませている。 と、携帯電話の着信音が室内にけたたましく鳴り響く。ミルクティーブラウンの男があからさまに顔を顰める。
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