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episode13
そして放課後。
目の前には風紀委員の部屋ものよりもさらに立派な扉。大企業の社長室とか多分きっとこんな感じ。
どうやら指紋認証式のキーロックまでかかっているらしく、セキュリティーも万全だ。こんなところまで来たことがなかったから知らなかった。
唖然としている俺を横に、いつもとさして変わらない様子の冬吾は「さっさと終わらせようぜ」とインターホンを押してしまった。
いや、まだ心の準備が。
〈 どうぞ。入って 〉
モニターで来訪者の様子が映し出されているようで、用件も聞かずにカチャリと鍵の開く音がした。本当に2人で呼び出されていたらしい。
臆する様子もなく扉を開ける冬吾の後ろをついていくと、みんないるのかと思っていた生徒会メンバーは2人しかいなかった。
多分、会長と副会長。……生徒会にそこまで興味を持ったことがないから違ってるかもしれない。
「急に呼び出してごめんね。びっくりしたでしょ」
そう言ってふんわりと微笑むのは、各方面に本当に絶大な人気がある副会長。美人とかわいいが共存してる。雰囲気が少しだけ冬吾と似てる気がする。近くでみるとめちゃくちゃきれい。本当にきれい。
「……で。何で俺ら呼び出されたんですか?」
冬吾の言葉に、副会長に見惚れてた意識が戻ってきてとりあえずうなずいた。
隣で冬吾が少し呆れているような気配がするけど気にしない。
多分俺にここで声を発することはできない。なんかもうオーラがすごい。
「なんでだと思う?」
冬吾の質問に答えたのは、この学園の実質的な支配者生徒会長様。
わかりやすく俺様オーラ漂うイケメン。一見横暴そうに見えるけど、中等部の時からこの人が会長をしている時代はわりと平和な学園だったように思う。よくわかんないけど多分。でもなんかもう色々と怖い。オーラが怖い。
「わかんないから聞いてるんですけど」
無愛想に答える冬吾にため息を吐いた会長の視線が、今度はこちらに向けられる。
「……高橋は?」
そこで俺に振りますか。
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