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カフェの扉を開けた先に、今日も、その人の姿を見つけた。
春菜は思わず足をとめ、彼の手元を凝視した。左手に握られたフォーク。そのフォークで、今まさに彼が口に運ぼうとしているのは──。
「──なぜ?」
これまでのパターンから想像していたとはいえ、実際にこんな場面を目の当たりにすると戸惑わずにはいられない。
頭の上で、からんからーん、と間抜けにドアベルが鳴っている。その音が、なぜかチャペルの鐘みたいに聞こえた。
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