光子おばあちゃん曰く、私は結婚するらしい(初耳なんだけど!)

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「可愛かろうが可愛くなかろうが、そんな親の元に生まれた時点で人生の勝ち組ってやつだね」 母にそんな返事をした瞬間、光子おばあちゃんが私に言った言葉を思い出した。 「そういえば……光子おばあちゃん、私がもうすぐ結婚すると思ってるみたいだったね」 「そうねぇ……。でも認知症の症状が出てるっていうことだし、その日によって言うことが変わる可能性もあるからね」 「ふーん……」 本当に私が結婚することが決まっていたら光子おばあちゃんの望みも叶えてあげられるのだけど、あいにく私には近々結婚どころか恋愛する可能性すらない。 次に会うときには今日言っていたことを忘れているだろうか。 翌日の日曜日も特に予定がなかったので、母と一緒に光子おばあちゃんの好きな花を買ってお見舞いに行った。 母の予想は見事に外れ、光子おばあちゃんは今日もまた私の花嫁姿を見るのが楽しみだとか、お婿さんにも会いたいなどとしきりに言っていた。 昨日の今日だから同じことを言うのかと思って、光子おばあちゃんが眠っているときに伯母さんに尋ねてみると、光子おばあちゃんは数か月前に認知症の症状が出始めた頃から「もうすぐモモちゃんが結婚するね」とか、「モモちゃんの結婚式が楽しみだ」と言っていたと教えてくれた。
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