婚活を決意したら神が降臨した件

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「あー……。時間もないけど、お金もあんまりないなぁ……」 実家暮らしのぬくぬくとした環境で、稼いだ給料から家賃代わりにほんの少しの金額を親に渡し、残りのほとんどを漫画やゲームに費やしてきたから、私の手元にはわずかな貯金しかない。 周りの27歳の大卒OLと比べたら、私の貯金なんて微々たるものだろう。 将来のことを真面目に考えずにヲタク街道を突っ走ってここまでやって来たツケが、今になって回ってきたのか? 世間では猫も杓子も婚活ブームだと言うのに、私には人並みの婚活すらできないようだ。 「だったら友達の紹介なんかどうです?企業とか親戚とか、大層な仲介が入るよりは手っ取り早くないですか?お茶とか食事くらいならたいしたお金もかからないし、友達が信用できる相手を見極めてくれるんだから、一石二鳥でしょ?できれば男友達の紹介がいいですよね」 おお、なるほど。 確かにアキちゃんの言うように、大事な友達には信用できない変な人を紹介しようなんて思わないはずだ。 しかし私にそんな立派な相手を薦めてくれるような男友達がいたっけ? 男性のことは女性より男性の方がよくわかるだろうけれど、私の周りにいる男性を思い浮かべてみても頭に浮かぶのはゲーム仲間やキヨのバーの常連客ばかりだった。
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