2831人が本棚に入れています
本棚に追加
もしかして私が中学時代に全然モテなかったのは、尚史がそばにくっついて他の男子を牽制してたから?……なわけないか。
高校は女子校だったから校内での出会いはまったくなかったし、大学時代は無理して周りに合わせた結果、あの『武勇伝』と男性への苦手意識を生み出し、恋愛から遠退いた。
私がヲタクな干物女と化している間にも、尚史は目一杯恋をしていたということだ。
「その後のことはこの前話した通りだ。俺はモモが好きだからどうにかして結婚したいと思ったし、結婚するならおばあちゃんのためだけじゃなくて、モモにも俺のことを好きになって欲しくて必死だった」
「うん……。尚史、私のことずっと好きでいてくれて、結婚してくれてありがとう。最初はただ光子おばあちゃんのためだけに結婚しようと思ってたけど、今は私もちゃんと尚史が好き。大好きだよ」
気持ちを素直に伝えると、尚史は嬉しそうに目を細めてうなずき、私の肩を抱き寄せて優しく頭を撫でてくれた。
私が尚史の手の優しさや力強さ、匂いや体温を感じて安心できるのは、尚史が誰よりも深く私を愛してくれているからなんだと思う。
「明日は一日中モモとイチャイチャしようと思ってたけど、これからいくらでもできるし……やっぱ明日はデートしようか」
最初のコメントを投稿しよう!