薄紅の恋

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パパは少しだけ笑った。 「真由さん、美羽をこれからもお願いします」 真由さんも微笑んで3人分のコーヒーを差し出した。 店内には穏やかな時間が戻って、そこに仁さんがカランコロンとお店の入り口から入ってきた。 「お、間に合って良かった。面倒だからそこの川に突き落としてきた。もう手出ししませんって大の男が泣いてたな」 「だとよ。真由さん」 奏さんは口の端を上げて笑うとコーヒーカップに口をつけた。 仁さんもパパも優しく穏やかな時間を楽しんで、それから店を出ていった。 そして夕方になって、いつものように真由さんと明さんに挨拶してお店を出ると、 「駅まで送ってく」 明さんが追いかけて来てくれた。 「今日は怖い思いをさせてごめん…」 ふたり歩き出すと、明さんは言いにくそうに切り出した。
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