132人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
パパは少しだけ笑った。
「真由さん、美羽をこれからもお願いします」
真由さんも微笑んで3人分のコーヒーを差し出した。
店内には穏やかな時間が戻って、そこに仁さんがカランコロンとお店の入り口から入ってきた。
「お、間に合って良かった。面倒だからそこの川に突き落としてきた。もう手出ししませんって大の男が泣いてたな」
「だとよ。真由さん」
奏さんは口の端を上げて笑うとコーヒーカップに口をつけた。
仁さんもパパも優しく穏やかな時間を楽しんで、それから店を出ていった。
そして夕方になって、いつものように真由さんと明さんに挨拶してお店を出ると、
「駅まで送ってく」
明さんが追いかけて来てくれた。
「今日は怖い思いをさせてごめん…」
ふたり歩き出すと、明さんは言いにくそうに切り出した。
最初のコメントを投稿しよう!