薄紅の恋

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遅くならないうちに家に帰る。 それがパパとの約束で日が暮れてきて遅くなった時には明さんが送ってくれてた。 「ごめんな、今日は少し遅くなった」 「いいえ、明さんのお友達のお祝いですから。喜んでもらえて良かったです」 明さんの友達が婚約したと店に報告に来てくれて、ふたりのお祝いにとケーキを焼いたのだ。 真由さんや明さんの周りは温かい笑顔の人たちで溢れてる。 「本当に喜んでくれて良かったです」 彼女は涙を浮かべて嬉しそうに笑って、周りにいたお客様も一緒になっておめでとうと声を描けてくれた。 そして焼いたケーキをみんなにも振る舞った。 とてもいい雰囲気でわたしも涙が出そうになった。 「明さんの周りはとてもいい人たちばかりですね」 「美羽ちゃんの周りだって素敵な人たちばかりだよ。大神さんや天宮さん、それに玲央さんや龍琉さんたち、みんな」 明さんは奏さんやパパたちみんながここに来るから知ってる。 わたしには自慢の人たちだった。 明さんとふたり歩きながら笑う。 穏やかに他愛のないことを言い合いながら歩くこの時間がとても好きだった。
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