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成田先生にはパパにはわたしの口からちゃんと話すことを約束して医院を後にした。
明さんは隣を歩きながら、
「俺の口から美羽ちゃんのお父さんにきちんと話をするよ。うちの店であったことが発端だし。アルバイト辞めさせるってことになったら残念だから。頑張って食い下がってみる」
明さん……
「そんな表情しなくていいよ。誠意を持って話せばきっとわかってくれる」
ちょっとだけ明さんは笑って、すぐに顔を引き締めた。
「美羽ちゃんには約束の最後の日まで、笑ってアルバイト続けてもらいたいんだ」
明さんの横顔はとても優しかった。
優しさの中に強さがあって、胸の中で鼓動がひとつ大きく跳ねた。
ドキン
それから全身に広がって、顔が熱くなってく。
強くて優しい明さんを見てたら、もうひとつドキンと胸が鳴った。
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