136人が本棚に入れています
本棚に追加
「……美羽ちゃん?」
明さんがわたしの顔を覗き込んだ。
顔が熱くなったのを気遣ってわたしの頬に触れた。
そうしてるうちに、つられるように明さんの顔が赤くなった。
「それ、……なんだか反則なんだけど」
「は、反則っ?」
「なんて言ったらいいか、……そんなふうに見られると照れるから」
明さんは横を向いて首の後ろを掻いた。
「なんてな、そんなわけな、」
ドキドキが止まらない。
その通りだったから。
顔を上げた明さんと目があった。
その時、
「美羽」
低く通る声がわたしの名を呼んだ。
振り向くと、
「……パパ」
厳しい表情をしたパパが門柱に背を預けて立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!