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暗闇のなかゆっくりと光の方へ歩みだす。
テーブルの上のろうそくがぼんやりと光っていて、ふとあの日の帰り道を思い出した。
深呼吸を一つ。
隣の彼がそっと支えてくれる手の温もりに、緊張が少しだけ和らぐ。
愛良と里菜は既に泣いていて、思わずちょっと笑ってしまった。
なんだかんだ言ったって、2人は本当にいい友人なんだ。
広げた紙の一文字目。
スポットライトの向こう側に立つその人に向けて。
今日やっとね、親父のことちゃんと呼べるよ。
少し長くなるけど、ちゃんと最後まで聞いてね。
「お父さんへ」
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