今日やっとね…。

3/3
前へ
/3ページ
次へ
暗闇のなかゆっくりと光の方へ歩みだす。 テーブルの上のろうそくがぼんやりと光っていて、ふとあの日の帰り道を思い出した。 深呼吸を一つ。 隣の彼がそっと支えてくれる手の温もりに、緊張が少しだけ和らぐ。 愛良と里菜は既に泣いていて、思わずちょっと笑ってしまった。 なんだかんだ言ったって、2人は本当にいい友人なんだ。 広げた紙の一文字目。 スポットライトの向こう側に立つその人に向けて。 今日やっとね、親父のことちゃんと呼べるよ。 少し長くなるけど、ちゃんと最後まで聞いてね。 「お父さんへ」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加