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キャンプファイヤー
キャンプファイヤーは実際楽しいので、人類は10万年くらい前から割りとやってたわけ。
「お゛お゛お゛お゛お゛お゛……」
「お゛お゛お゛お゛……」
で、火を囲んだ人はテンションが上がるんで、何か変な声も出しちゃう。
「お出でませお出でませ河神様お出でませお出でませ河神様お出でませお出でませ河神様」
人類は神様の趣味は知らないけど、もちろん神様もキャンプファイヤー好きだと思ってるから、神様を呼ぶ時も火を焚いたりしてたんだよ。
河の神様だから火なんか好きなわけ無いんだけど、その辺あんま深く考えないんよね。
「……クヮッパァ」
なんだけど、神様は神様で、呼ばれたら来ちゃう。これはキャンプファイヤーの嫌さァより、お供え物の欲しさァが上回っちゃった結果なの。
「おおっ、河神様!」
「河神様がお出でンなられた!」
キャンプファイヤー会場脇の河から、ざばーって感じで出てきた神様は、「お出でませお出でませ」って言ってた人(※神様担当の人。毎回この人が神様を呼ぶ係やってる)の案内で、山積みのお供え物の前にやってくる。
目の前でボーボー燃えてる火は若干怖いんだけど、表情には出さない。神様だから。嘗められたら負けだから。
「どうぞ河神様、お納めください」
「クヮパ」
うむ、て感じで神様は頷いて、山積みのお供え物をポリポリやる。
一本ずつ食べるのがポリシーみたい。ポリポリだけにね。なんつって。
で、神様がお供え物の山を平らげたところで、神様担当の人が人類を代表してお願いすんの。
「神様、どうぞ我らにお力をお貸しください。下流の村を神様のお力で滅ぼしていただきたいのです」
この人類の村は、下流にある人類の村と喧嘩してるのね。でも下流村の方が強い。だから代わりにやっちゃってくださいよー神様ァ、てな感じ。
「クヮッパクヮッパ」
神様もオッケオッケみたいなノリ。
「お゛お゛お゛お゛お゛お゛……!」
「お゛お゛お゛お゛……!」
したらもう人類も大喜びよ。
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