マザーテレサのような人

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マザーテレサのような人

私がM社に入社したのは、M社のA施設の、施設長Fさん(女性59歳)を尊敬していたからでした。 M社に入る前、T社のサービス付き高齢者住宅に勤めていました。 私は東日本大震災の年に、3カ月学校に通い資格を取得しました。 卒業後、S社のデイサービスで働きました。 入社式で社長(市会議員さん)が仰いました。 「我社は、500人の従業員がいます。 毎月10人入り毎月10人辞めて行きます。」 「どうか先輩方は、新人の方を 大事にして下さい。」 働き始めてすぐにその意味がわかりました。 1日40名から50名の大規模デイサービスでした。 毎日来る方から週に1日から3日来る方もいらっしゃいます。 150名の名前と家の場所を覚えます。 忙しさの為に、スタッフはイライラしていました。 午前中に、40人以上の入浴介助をたった4人のスタッフで行います。 新人に仕事を丁寧に教える余裕もありません 私はスタッフ5人からいじめを受けました。 私は、3カ月で辞めてしまいました。   そして、一生介護の仕事なんてしたくないと思いました。 その為、私は介護の仕事は8年のブランクがあります。 8年間は、派遣社員として接客業の仕事をしていました。 法律が変わり、週に20時間以上勤務すると社会保険に、加入しなければならなくなりました。 飲食業は、フルタイムではなくて、短時間勤務のパートしか募集しません。 社会保険料の半分を企業が負担しなければなりません。 若い人なら仕事はいくらでもあるでしょう。 50歳を過ぎた私が、正社員で働ける仕事が介護でした。 T社の先輩方は、経験がない私に親切に教えて下さいました。 でも、施設長Nさん(男性40代)は、どこかの国の総書記のようでした。 介護の資格も持っていない方で、現場を見ない人でした。 M社の施設長Fさんは、誰よりも働く、優しい方でした。 他の施設で断られて困っている方を受け入れて下さる為、 家族にとっては、マザーテレサのような人でした。 それがいいのか悪いのかは別の話しになります。 マザーテレサのような施設長さんは、 私が半年間、移動して戻って来た時には、 人が変わってしまいました。 次回に続きます。  
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