ある晴れた日に

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「僕の為じゃなくて、自分の為に決めてよ。マリさん、僕と一緒に挑戦し続けない?」 真っ直ぐに、見つめる黒の瞳には私が失くして、いえ捨ててしまった夢が映っていた。 この世界には沢山の仕事で溢れていて、選ばなければ賃金の差はあれど働くことができる。その中で、本当に夢見てた仕事につける人間はほんの一握りで、大半の人たちが夢破れて、生きる為だけに仕事をしている者が殆どだと思う。そして、私もその中の一人だ。 夢を語るだけでは食べていけないといいながらもミュージシャンを辞めれない人間。 自分のやりたい事が見つからず、とりあえずと入社した会社で働き蜂のように狂わされる人間。 キラキラと輝く世界に魅力されるもその裏の現実に押しつぶされる遠い世界の人間。 生きる為に働いて、少しの自由な時間を愛する者のと過ごすことが幸せと語る人間。 色んな人間が、沢山の思いを持って暮らしてるこの世界で私は何を迷っているのだろうか。目の前にチャンスがぶら下がっているのに、なぜ掴もうとしないのかと自問自答をする。 「あと5分だけ待つ。それまでに決めてくれ」 そう社長さんは言ってポケットから懐中時計を取り出した。カチカチカチと秒針が打つ音が聞こえるほど静寂に包まれる。パチンとフタを閉める音がして5分経ったことを知らされる。 「…お受けさせて頂きます。不束者ですが何卒宜しくお願い致します」 そういって3人に頭を深く下げた。私は、選ばれた人間ではない、天才でも秀才でもない。けど、彼は選ばれた人間。努力の人間は彼を支えようとそう決めた。まるで、親が子供に自分の夢を託すように。 世界は急に変わる。いつ何処で何が起こるのかわからない。それが、人生なのかもしれない。 ーだから私は、挑戦し続ける (後悔しない人生の為に)
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