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翌朝、車に分乗してソウマとノア、リコは空港に向かった。
ソウマは僕の運転する車にノアと乗り込む。ノアは後部座席のチャイルドシートに座らされると、もうウトウトしだした。昨晩、少しはしゃぎ気味だったから睡眠不足なのかもしれない。
助手席に座るソウマに僕は早速、質問することにした。
「リコのこと、嫌いなの?」
「凛の妹じゃなければ、近寄りたくもない」
ソウマの英語はネイティブ並み。海外経験ありなのかな?
「。。。凛と入籍したんだよね?」
1番気になっていた質問。
「ノアをスチュアート家から引き離すために養子縁組が必要だったから」
凜は望んでいなかったってこと?微かな希望に縋りそうになる。
「凜はジョーイのことを今でも愛しているから」
ちょっとだけ隣に座るソウマの表情を探ってみる。
「十分待ったから。待つ時間がまた少し増えるだけ。凜の気持ちが俺に向くまで」
この人、こんな優しい表情も出来るんだ。
大人の男の表情だ。ソウマも半端じゃないんだ、凜を想う気持ち。
でも僕には若さと勢い、長い時間があるけどね。
これって、負け犬の遠吠えに近いんだろうか。
そのくらい言わせてよ。だって敵うわけないじゃない、相手がジョーイにしろソウマにしろ。二人ともオトナの男だ。
悔しいけど、かなり悔しいけど。
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