格好ぐらい つけさせて

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ソウマはきっと凜のことがスッゴク好きなんだなって思う。 でも凜のことが好きなのはソウマだけじゃないんだよね。 ハワイへは両親とではなく、僕一人で行った。エアチケットとホテル代は負担するから、是非と言われ、出席したソウマと凜の結婚式。僕としては凜のウェディングドレス姿なんて見たくないし、参列なんかしたくないっていうのが本音だけど。 でもノアが来るというし、ノアが会いたがってると言われたら、行っちゃうんだよね。ノアに甘いお兄ちゃんとしてはさ。 指輪交換の時、凜の左手の薬指にはそのまま指輪があって、その上にソウマは指輪をはめていた。これでいいのかって思ったけど、二人が納得しているのなら、これもありなのかもしれないって思ったけど。 僕ならイヤだけど、でもジョーイとの思い出もそのままに受け入れたってことなんだよね、ソウマは。 結婚式には凜の両親も来ていた。でも妹のリコは来ていない。リコの娘のアカリという女の子が来ていて、ベールガールをノアと一緒にしていた。アカリを見ていると、凜の小さい頃が想像できて、ちょっとだけ楽しい気分になった。ノアは純粋に可愛いし。凜のウェディングドレス姿はジョーイの時も思ったけど、やっぱりキレイだった。背が高いから着映えもするしね。 凜がブーケを渡したのは、ジョーイの葬式のときにも来てくれていたあのアイリっていうキレイ系の女性。凜からブーケを渡されて、頬にキスされた彼女はわかりやすいくらい顔が紅潮していった。隣に立つ長身のミスター矢島は苦り切った顔をしている。そういえば、矢島とアイリ、結婚するんだっけ?そんな二人の様子にソウマは大笑いだ。ちょっと凜と近すぎるって思った距離。アイリは凜が好きなんだ。もしかして、凜ってどっちもOKなのかな? 凜の周りには凜が好きな人がいっぱいだ。 凜に『Congratulations!!』と声をかける。 「来てくれて、ありがとう」 そう返事をする凜の唇にキスをする。 凜はすっごい驚いた顔をしている。相変わらず、隙だらけ。 さっきまで大笑いしていた隣にいたソウマがすぐに凜の腰に手を回して、自分の所に引き寄せる。分かりやすすぎだよ、ソウマ。 でもね、ソウマが死んだら、凜は僕のモノ。 楽しみにしてて。
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