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First impression
初めて凜に会った時のことは今でも覚えている。
元父親であるジョーイに会うのに少しずつ負担を感じ始めていた頃だったから。
ジョーイは自分が本当の父親ではないのが分かった後でも、母と離婚した後でも変わらず接してくれた。何か欲しいモノはないかとよく尋ねられた。あまり欲しいモノが思いつかず、でも何か言わなきゃいけないプレッシャーみたいなものを感じたりもしていた。プレゼントされれば、必要以上に嬉しそうな顔をしなきゃいけない。ジョーイは俺のそうゆう顔を見るのが楽しみなのはよくわかっていたから。でも、そんな風に演技するのに疲れ始めていた。もう12歳だよ。反抗期でしょう?無理だって。
でもジョーイが末期ガンで余命が短いのがわかっていた。彼は僕以外に家族らしい家族がいないことも承知していた。そこに凜が現れた。正直ベースで心からホッとした。
凜の第一印象は日本人の割に背が高いなと思ったのと、30歳過ぎには見えない童顔。僕とは20歳近く離れているはずなのに、ジョーイより僕に年齢が近いような気がした。たまに変な英語を話したり、ジョーイにキスされると、すぐ照れて、真っ赤になったりと、どう見てもティーンエージャーに毛が生えたような恋愛初心者にしか見えなくて。ジョーイも最初、凜は僕の方に年齢近いと思っていたって言ってたし。でも、そんな凜をジョーイは心から愛していたんだと今は思う。
二人が付き合いだしたきっかけは凜からだと聞いたときは、正直驚いたけど。
凜がジョーイに告白しているシーンを想像したら、思わず笑っちゃった。
きっとトマトより真っ赤な顔をしてたんじゃないかな。
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