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夏なんて、まだまだ先だなーと思っていたら、
月日の経つのは早く、その日はやってきた。
沖縄が梅雨入りたものの、本州はまだ梅雨入り前だと言うのに、予想最高気温が27度を超えるその日。
街の中心地にある、大きな商店街の入り口の待ち合わせ場所に行くと、咲と充さんはすでに到着していた。
「久しぶり、蓮井さん。今日はありがとう。でも、良の奴まだ来てないんだよね」
「あ、お久しぶりです。まだ時間より前ですし」
充さんと名前で呼んではいるが、直接話す時は敬語が抜けない。
仕事ではそうでもないが、沙耶はプライベートでは人見知りな面がある。
初対面の人の集まりでは、黙ってしまう間が嫌なので、とりあえず喋る。
その場で好みの相手を選んだり、会話で駆引きをしたりするのも苦手でなので、
合コンは、とりあえずキャラを作って、話題を振って、突っ込んで、幹事っぽく振る舞って終わる。
人間関係は狭く深いほうだと思う。
そんなことをしていたら、社会人になってから、欲しくなかった訳ではないが、気づくと5年彼氏という存在はいない。
だから今回のような誘いは、嬉しい思いもあったのだ。
「自主練一緒にしたけど、とりあえずシャワー浴びに帰ったんだよ。
…あ、良?近くまで来てる?…うん、そうもう、そろってる」
充さんがスマホで連絡を取って数分で、
人並みの向こうに、頭が見えた。
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