73人が本棚に入れています
本棚に追加
「な、何で、こんな」
私の立ち位置、友達のかぁちゃんでしょ?お母さんの事は抱きしめたりしませんよね。
一個しか違わないけど、新人類だ、ゆとり悟り世代だ。思考が読めない。
肩甲帯が、ガチガチなのがわかる。緊張で表情が強張って、呼吸が浅い。
「何でって、ちょこちょこ動いてるから」
「ちょこちょこ…」
良くんが、何が言いたいのかが分からない。
「小動物みたいで、触りたくなった」
小動物?触りたい?これは、人間からペットにポジションチェンジしたと言う事だろうか。
好意とかではなく?
「ふ、ふーん…そ、そう?」
何と答えればいいと言うのだ。
多分、情けない顔をしている。
一瞬、何かを期待した自分もいたのだ。
もう、私のソーシャルスキルの限界だ。白旗を上げて、前を向いてソファーに座り直す。
すると、また、右側から彼の腕が伸びて私の肩を抱き、上半身を彼にもたれ掛かる様にすると、そのまま、髪を撫でた。
私は彼の左肩に頭を乗せる格好になった。
彼は髪を撫でながら、私ではなくテレビを見ている様だ。
最初のコメントを投稿しよう!